持ち家派?賃貸派?どちらを選択するのがベストなのかはいつも意見が分かれるところなのですが、住宅ローンの精神的負担を考えて賃貸を選ぶ方も年々増えています。
子どもの独立を機に生活をコンパクトにしたり、車を必要としない生活を想定して郊外の一戸建てから都心の賃貸に引越しをしたり、生活スタイルとともに住居は変化するものです。
そこで今回は、持ち家から賃貸に引越しを検討していくなかで知っておきたい「築年数」や住宅の「耐用年数」、くわえて「築古」の意味を掘り下げていきましょう。
住宅の築年数について
築年数とは、その住宅が完成してから経過した年数のことを指します。
この築年数は不動産の売却をするときに、購入を希望する方の検討材料としてや減価償却費の計算にも使用されます。
不動産は「買ったときの金額」よりも「売るときの金額」が一定の金額を超えてしまうと所得税が課税されるのですが、買った時の金額=当時の「新築時の金額」ではなく、築年数に応じて「減価償却費」を差し引いた金額が算出されます。
不動産の価格は減価償却費にくわえて、物件の状態やエリアの需要などにも左右されます。
不動産の売却を検討される場合は、不動産会社に査定依頼を出す際に登記簿謄本や登記事項証明書に記載されている正式な内容を把握しておきましょう。
住宅の耐用年数について
前述の減価償却費を算出する際に使用されるのが「耐用年数」です。
耐用年数には、物理的、法的、経済的の3種類があるのですが、税金を公平に算出できるように法律で定められているのが「法的耐用年数」です。
法的耐用年数は、築年数だけでなくその住宅の材質や構造によって国が一律に定めています。
たとえば木造・合成樹脂造の住宅の法定耐用年数は22年とされていますが、22年で劣化するという意味ではなく、あくまでもその物件に残された「資産的価値」の基準です。
法的耐用年数以外に、物理的耐用年数は材質の劣化によってその住宅に住み続けられる目安を示すもので、経済的耐用年数は今後どのぐらいの経済的利益を生む可能性があるかの目安を示すものとなります。
何年経過すると築古に該当するのか?
住宅が建築されてから1年以内で未入居であれば「新築」、未入居でも1年以上経過したものは「築浅」、築年数20年以上経過したものは「築古」と呼ばれます。
築古と称される物件でも、リフォーム・リノベーションによって居住空間が改善されていると売却時や賃貸に出すときの価格が上がりやすい傾向にあります。
築古でさらに耐用年数をかなり経過した物件は、なかなか売却が進まなかったり借り手がつかなかったりするので、その場合は上物を解体して更地にする方法も検討します。
解体には費用もかかりますが、不動産として持ち続けるよりも売却によって現金化を進めやすくなり、次の住まいへの頭金として動かしやすくなるのは間違いありません。