不動産に関する書類はさまざまなものがありますが、耐震基準適合証明書をご存知でしょうか。
名称からどのような書類か推測できるかと思いますが、どんな時に必要になるのか把握できている方は少ないかもしれません。
中古住宅の購入を検討している場合、取得するかどうかによって税金面で優遇されるかどうか違いがでてきます。
そこで耐震基準適合証明書とはどんな書類か、取得方法などをご紹介します。
不動産購入時に耐震基準適合証明書を取得することで住宅ローン控除が受けられる?
耐震基準適合証明書とは、住宅の耐震性能が現行の基準を満たしていることを証明する書類のことです。
1981年に大きな改正がおこなわれているため、1981年6月以前に建てられた建物は現在の基準を満たしていない可能性があるのです。
建築基準法ではこれまでも何度か耐震基準の改正がおこなわれていますが、耐震基準適合証明書の発行には現行の基準を満たしていなければなりません。
基準を満たしていない不動産の場合は、耐震工事をおこなうことで発行が可能となります。
そしてこの耐震基準適合証明書は、住宅ローン控除の申請にも深く関わっています。
中古住宅を購入した場合、住宅ローン控除を受けるためには築後年数の要件をクリアしなければなりません。
耐火住宅で築25年以内、非耐火住宅の場合は築20年以内でなければ住宅ローン控除を受けられません。
しかし、耐震基準適合証明書を取得していれば購入した不動産が築後年数をオーバーしていても対象となります。
住宅ローン控除が適用されれば、ローン残高の1%が10~13年間所得税から差し引かれるためかなりの節税効果を生むことになるでしょう。
他にも登録免許税や不動産取得税、固定資産税などの税金において、軽減や減税措置が受けられるためぜひ取得しておきたい書類の1つです。
耐震基準適合証明書の取得方法!不動産購入後では取得できない?
中古住宅を購入する場合などぜひ取得しておきたい証明書ですが、実は取得方法が難しい書類でもあります。
進め方を誤ると、住宅ローン控除の対象外となってしまうこともあります。
基本的に住宅ローン控除を受けるためには所有権移転前に申請し、取得しなければなりません。
さらに取得までには住宅診断の調査期間を含め、スムーズにいったとしても3ヶ月ほど必要な点にも注意が必要です。
耐震工事が必要となれば、さらに1~3ヶ月ほどの時間がかかるため、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
また申請には売主の協力が必要不可欠となるため、不動産を購入する前に話しをしておく必要があります。
もし、引き渡しまでに時間がない場合や売主の協力が得られない場合には、別の取得方法を考えなければなりません。